『ウクレレ&オカリナ』教室です♪

ハワイの伝説　＜空を持ち上げたマウイ＞

　　
　　半神半人のマウイのふるさとは長い間暗闇に閉ざされていた。天が地に落ちたのか、あるいはむしろ天が地上から離れていられなくなった状態にあった。

　　ある伝説によると、空が地表近くまで重くのしかかったので、育ち始めた草木の葉は必然的に平らになった。また、他の伝説によると、草木が葉の表面を広げて雲を少し押し上げ、空との間に空間を作った。このように葉はまず最初に平たくなった。それは人類にとっても同じ状況であった。草木は人間が天と地の間ではって歩けるようになるまで空を少しずつ押し上げたので、人間は何とか移動できるようになった。


長い年月を経たあと、男（マウイと考えられている）が、女の所へやって来てこう言った。「あなたのひょうたんに入っている飲物を下さい。そうしたら、天を高く押し上げてあげましょう」彼は女から渡されたひょうたんを深くひと飲みすると、雲に向かって身がまえ、雲を木の高さまで押し上げた。


　　再び、彼は空を高く持ち上げ、山の頂上まで運んでいった。そしてさらに奮迅の力を込めてグイと押し、空を現在ある場所まで押しやった。それにもかかわらず、暗い雲はいくどとなくハレアカラ山の東側斜面沿いに低くたれかかり、カウヴィキの丘に激しい雨を降らせた。しかし、雲は再びマウイがやって来て雲を遠くに投げ飛ばし、戻れないようにするのではないかと恐れ、あえて留まろうとはしなかった。


　　マウイが空を持ち上げようとしていた時、それを見てあざ笑った男がいた。雲が山のてっぺんに停止したのを見届けたマウイは、その男とをこらしめるために追いかけた。男は島の反対側へ逃げたが、マウイは海岸で彼を捕まえた。そこは町からさほど離れていない所で、今はラハイナとして知られている。短時間の闘いののち、男は巨大な黒い岩に変えられてしまった。その岩はハワイの伝説の場所を見届けたいと望む人なら誰でも見つけることができる。

ＫＯＵ